日本橋川口 江戸前鮨の再解釈。

ROLE

Branding
Culture design
Communication design
Art direction
Web design & development
Photography

Overview

日本橋に新しくオープンした江戸前鮨店「日本橋川口」のブランディングを手掛けました。
大将・川口雄大さんは、銀座の名店「すきやばし次郎」で研鑽を積んだ職人。2024年夏、女将のホリーさんから「カルチャーを理解してくれるブランディング会社を探している」とご相談をいただき、YLがブランド設計、ロゴ・ウェブサイト制作、アセット撮影、メニューなどの体験デザインまでを共に築き上げてきました。

Challenge

日本では少子高齢化が進み、国内の需要が縮小する中、訪日外国人観光客は年々増加しています。今後の飲食業界、そして江戸前鮨の世界でも、店の哲学を世界に発信していくことが欠かせません。
しかし、伝統を重んじる鮨業界では、「良い鮨を握れば客はつく」という価値観が根強く、戦略的にブランディングを考える店は少数派。ロゴに書道体を使うのも一般的で、特に日本語を読めない人にとっては、店ごとの違いが伝わりづらいという課題もあります。イギリス出身でグローバルな視点を持つ女将・ホリーさんも、その課題を強く意識していました。伝統を尊重しながら、どうやってその扉を世界に開いていくか。本プロジェクトは、そんな挑戦でもありました。

Insight

USPからPOVへ
大将・川口雄大さんとの対話の中で、「江戸にこだわる」という明確な視点。漆塗りの盛台、醤油やみりん、暖簾に至るまで、店内のほとんどが、職人の作った東京産で統一されています。この徹底した江戸の美意識が息づく物語を、どうブランディングに落とし込むかが鍵となりました。そこで、まずブランディングワークショップを実施し、Mission・Vision・Valueを策定。そのうえで、お店のタグラインを 「風通しのよい江戸前」 に決定しました。これは、江戸前の世界が持つ奥深さに敬意を払いながらも、その文化をより開かれたものとして伝えていく意志を表しています。

About the Logo

ロゴはブランド哲学を体現する象徴です。「川口」の「川」を魚のシルエットに見立てたシンボルマークは、江戸前鮨の主役・海の幸、特にマグロを想起させます。家紋のような力強さを持たせることで、日本らしさと江戸前の格式を感じさせるデザインに仕上げました。また、このマークは「暖簾」も象徴しています。
かつて、鮨は手で食べるもので、客が暖簾で指を拭う背景から、繁盛店ほど暖簾がよごれると言われていました。このカルチャーを踏まえ、ロゴにはよごれを想起されるテクスチャーを取り入れています。

Result

開店直後から予約枠が埋まり、連日満席の盛況。国内外の食通の間で口コミが広がり、注目を集めています。銀座の名店で腕を磨いた川口雄大さんの技と、オープンに英語を話す女将・ホリーさんのあたたかいおもてなしが国内外のお客様に安心感を与え、江戸の美意識を貫いた空間デザインと相まって、訪れる人々に唯一無二の体験を提供しています。ブランディングを通じて、国内外の客層に店の哲学が伝わり、日本の伝統文化に精通した層だけでなく、新たな顧客層の開拓にも成功しました。さらに、メディアからの注目も高まり、開店後すぐに台湾のメディアに取り上げられるなど、江戸前鮨の伝統を守りながら新たな潮流を生み出す存在としての地位を確立しつつあります。

Breathing fresh air into the world of Edomae sushi

伝統にそっと寄り添いながら、その世界への扉をひらく。店主の哲学と、店に流れる温かな空気感をかたちに。

Website design

洗練と控えめさ、そして温かさ。店の哲学をそのまま体現する、バイリンガルのウェブサイトをデザイン。

Comprehensive visual storytelling

質感のある内装から、艶やかな鮮魚の輝きまで。空間をかたちづくる静かな温もりと、研ぎ澄まされた職人技をビジュアルで表現。

TEAM

Creative director: Yoichiro Tamada
Communication strategist, project manager: Juri Ito
Art director, graphic designer: Eko Hayashi
Concept development, copywriter: Ichiro Yasui
Calligrapher: Susumu Takabayashi
Website design & development: Kei Saito
Photography: Nathalie Cantacuzino

TIMELINE

2025

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